譜を読むⅡ~指使い編~
今日は近くの小学校の卒業式。
昨日まではランドセルを背負っていた6年生が、今日は真新しい中学の制服を着て登校していきました。(小学校の卒業式に中学の制服を着用・・・、新潟に来てビックリしたことの一つです!)
教室生徒のそう君も今日、卒業です。
卒業証書を受け取る、そう君の姿を想像するだけでウルウルしてきます(/_;)
そう君のパパ(ささパパ)は教室で一番涙もろいので、きっと今頃、号泣されていることでしょう・・・。
さて昨日はそう君の妹、ゆきちゃんのレッスンがありました。
譜読みを終えて両手練習です。
この時期に気を付けたいのが「指使い」。
片手練習の時には出来ていた正しい指使いが、両手練習になった途端、違う指を使って弾いてしまうことがあります。
なぜか弾きにくい、いつも転んでしまう・・・、そのような箇所は誤った指使いが原因のことが多いです。
昨日のゆきちゃんのレッスンでは、もう一度指使いを確認。
「う~ん、めんどう・・・」と口では言いながら、頑張るゆきちゃん(*^^*)
次のレッスンでは、正しい指使いだからこそ表現できる音の表情などについても勉強してみようと思っています。
ふふふ、さらにめんどうかなー?
さて、指使いについて「楽譜に書いてある指使いは必ず守らなくてはいけませんか?」と質問を受けることがあります。
必ずしも絶対ではありませんが、守った方が良いことが多い、と思っています。
楽譜に書かれている指番号は、作曲者自体が残したものもありますが、多くは後に校訂者が「一つの案」として決めたものです。
同じ曲でも出版社、編集者によって違う指使いになっていますね。
ピアニストや音楽研究者などの校訂者が決めた指使いなので、それはとても理にかなっています。
しかし、私たち弾き手の手の大きさや指の長さは千差万別ですし、大人と子どもが同じ曲を同じ指使いで弾くのには、とても無理があります。
弾き手の都合により、弾きやすい指に変えて良いのです。
その場合、その人に合った指使い、その曲に合った指使いを提案することも、ピアノの先生の役目だと思っています。
(初歩の教本やテクニック教本は、書かれた通りの指使いで弾くことに意味があるのでご注意を)
指使いを守るとテクニック的に弾きやすくなるだけではありません。
その指使いで弾くからこそ表現できる音色や、美しいフレーズがあります。
テクニック的には5指で弾く方が楽なのに、どうして3指と書いてあるんだろう・・・というような場面はありませんか?
きっと、ハッキリと響く音で弾いて欲しいから、不安定な5指ではなく3指と書いてあるのでしょう。
また、同じ音を連続して弾く時(ソソソソ・・・など)、たいてい3,1,3,1・・・や、3,2,1,3,2,1・・・のように、違う指を使うように指示があります。
でも時には、3,3,3・・・など同じ指番号が振られていることもあります。
この場合は「ソソソ・・・」ではなくて「ソォ、ソォ、ソォ・・・」と、一つずつの音を大切に弾いて欲しいという意図が読み取れます。
テクニック的にも音楽的にも理にかなった指使いは、その曲を理解するための大きなヒントになるのですね。
弾くたびに指が余ったり足らなかったりせず、自分とその曲に合う、いつも同じ指使いで練習することが、大切だということです。
どうぞめんどくさがらずに、音符の上の小さな可愛らしい数字も、よく見てくださいね(^^)/
先日、中国の出版社の楽譜を見る機会がありました。
なんとも美しい、中国のピアノ曲です。
一箇所、初めて見るとても難解な指使いが。
さすが中国!まるで雑技団並みだ~!と妙に納得し、頭の中で銅鑼が鳴り響いた私です。